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2021年のフィラリア感染期間

製薬会社から昨シーズンのフィラリア感染期間の報告がありました。

これはHDUと言う気温を元に感染期間を算出する方法によるものです。

 

HDU (Heartworm Development heat unit

 

1HDU=日平均気温臨界温度(14℃) 

     日平均温度=(日最高気温+日最低気温)÷

 

この1HDUを足していって130になる日が感染開始日です。

 

 

また、30日間でHDU130となる日が感染終了日となります。

 

5月下旬~10月下旬だそうです。

 

過去のデータでは一番早い感染開始日が5/17、最も遅い感染終了日10/26です。

フィラリア予防薬の投与は基本的には感染開始日から1ヶ月後、感染終了日から1ヶ月後です。

当院では余裕を見て6月上旬~12月上旬の7回をお薦めしております。

過去は6回の投薬で感染した例を1例経験しておりますが、、、

これは多分飲ませたつもりだったり早く飲ませて早く飲み終えてしまった等の間違えがあったのかと思っています。

それ以外では7回(以前は6回)の投薬で陽性になった症例の経験はありません。

無論、途中で投薬を止めた犬での感染の経験は何例もございます。

 

また、昨シーズンの予防が出来ているかは血液検査が必要で、検査後の投薬が基本になります。

血液検査は感染後6ヶ月経過しないと検出できませんので、10月下旬の感染を検出するには早くとも4月下旬以降となります。

検査で確実に確認したい場合は4月下旬~投薬開始の6月上旬の間での検査をお薦めします。

 

尚、これは当院での予防方針なので他院での方法を否定するものではございません。

かかりつけのある方はかかりつけ医の方針に従って下さい。

 

PS

予防薬と言うことでお薬をお渡ししていますが、性格にはミクロフィラリアのL4の時期に駆虫しています。

フィラリアは寄生されている犬の血管の中でL1(フィラリアの子虫(Larva1))で蚊に吸血されます。

蚊の体内でL1→L2→L3と脱皮を二回します。最短で1週間~3週間かかります。

その蚊が例えば他の犬(例えばあなたの愛犬)に吸血する時に、L3の状態で体内に入ってきます。

ただ、その時に薬を飲んでも効果はありません。

 

2週間くらい経過して、もう一度脱皮をするとL4となり、この時に薬を飲むことで血管に入る前の皮膚の下や筋肉内で駆虫することが出来るのです。

 

蚊の体内で数週間、身体の中で数週間を足した約1ヶ月後ということになります。

感染開始から1ヶ月後、感染終了後1ヶ月後に飲むのはこう言った理由です。