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犬の膀胱結石、尿道結石、尿道閉塞

先日、先輩から雄犬の尿道結石が動かないけど何か良い方法がないか?との連絡がありました。

 

 実はその前に同じ様な症例が来ていまして、尿道結石で排尿できない、かかりつけがお盆休みで処置をして欲しい。との症例が来ていました。

雄犬には陰茎骨という骨がペニスにあるのでそこで詰まることが多いのですが、なかなか膀胱に戻らない、太いカテーテルを押し込んだら膀胱まで入りました。(安堵)

 

 排尿させて、さあ、カテーテル抜いて終わりだと思ったら、、、、、、、

カテーテルが抜けない、、、、、、!!!!!!!!カテーテルから生食を入れようとしたら全く入らない、、、、、、、!!!!

一気に心拍数が上がりました。岩手大学の先生の講義で聴いたエピソードの再現です。

 

多分、尿道結石を避けて膀胱までカテーテルが行ったのですが引き抜く際に、陰茎骨と結石、カテーテルが三位一体?になって動かなくなってしまったようです。

コレは尿道切開するしかないのですが、何度も膀胱結石でオペをしているとのことなので話し合いの結果、尿道造瘻術をする事になりました。陰嚢(去勢済みでした)の場所に人工的に尿道の出口を作って、陰茎骨に行く前に結石を出してしまおうという作戦です。

 

尿道切開してカテーテルを確保しました。

本来の尿道口からは抜けないのですが、切開創から引っ張ったらなんとか抜けました。

それでそこの部分に尿道を開口させました。ストーマの一種ですか。

その時にも小さな結石が2個取れました。

術後約2週間後です。

順調に排尿しているとのことです。

 

外科の先生の講義でキルシュナーピンを入れて結石を砕いて膀胱もまで戻せばいいので尿道切開はしないと聴いた事があります。

それに使用していたドリルは正-逆回転を自動で繰り返す事のできる整形外科用のドリルでして、10年くらい前にメーカーに値段を尋ねた事があるんですよ。

「200万位です!(営業スマイル)」

よし買った!って言える日は永遠に来ないんだろうなぁ。。。。