雌の猫で特に若齢時に避妊をしていない場合、乳腺にしこりを見つけることがあります。
詳しくはCat Ribbonを御覧ください。
最近、2例の来院が見られたので書いてみます。
どちらの症例も高齢猫なのですが、一頭は若い時に避妊しているとのことでした。なので、本当に乳癌なのかとのセカンドオピニオンを求めて来られました。
残念ながら、腫瘍は見た目や触感で診断することができません。
可能性は著しく高いので、不安ならば手術の前に細胞診や組織診断を提案しました。
もう一頭は、未避妊の猫で11歳弱で右の最後乳頭付近にしこりが触れます。
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黒く囲んだ所がしこりの部分です。
右側が頭側です。
腫瘍には関係ありませんが避妊手術も同時におこないます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=228x1024:format=jpg/path/s44a2d015d6f1c3ad/image/i723d1b935a0846ca/version/1706695224/image.jpg)
提案されている標準的治療が片側乳房切除なので胸から陰部付近までのすべての乳腺組織を切除しなくはなりませんし、またリンパ節の郭清も推奨されます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=228x1024:format=jpg/path/s44a2d015d6f1c3ad/image/icc69d42c1b05f518/version/1706695224/image.jpg)
長い術創になってしまいます。
十分な鎮痛を行います。
予防できる癌、悪性腫瘍は多くはありませんが、犬猫の早期の避妊は乳腺腫瘍の発生率を少なくする効果があります。